シロイヌナズナGCS1遺伝子破壊株の胚珠における受精阻害。
GFP標識された花粉管内容物の中でdsRed標識された2つの精細胞が受精を完了できずとどまっている。
(サークルは精細胞の拡大像)
理化学研究所 宮城島独立主幹研究ユニット

理化学研究所 宮城島独立主幹研究ユニット

研究内容



植物受精機構を基盤とした真核生物接合メカニズムの研究

 性を持つ生物は、動物・植物を問わず受精(接合)によって子孫をのこす。哺乳動物やウニ、藻類の接合は分子レベルで広く解析されており、種特有の接合因子が数多く報告されている。一方、高等植物の受精に働く直接的な因子は全く未知であった。近年Moriら(2006, Nat. Cell Biol.)が発見した雄性配偶子の受精因子GCS1は高等植物に加え、藻類、粘菌類、原虫類でも検出されていることから、配偶子の同・異型を問わない真核生物接合の普遍的因子といえる。
 本研究はGCS1を基にした植物受精関連因子のさらなる同定・解析を目的としており、多くの真核生物種に通じる接合メカニズムの根源的解明さらには真核生物の接合進化の解明へと展開していく計画である