理化学研究所 宮城島独立主幹研究ユニット

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研究内容


真核細胞のエネルギー変換器である、細胞内呼吸を行うミトコンドリアと、光合成を司る葉緑体は、それぞれアルファープロテオバクテリア、シアノバクテリアの細胞内共生により誕生し、バクテリアと同様に分裂・増殖することによって、絶えることなく細胞内に維持されています。
これまでの研究で、どちらの細胞内小器官の分裂も、祖先のバクテリアと宿主真核細胞の両方に由来する、お互いによく似たハイブリッドの分裂装置で行われることを明らかにしています。さらに、未知の宿主由来の分裂装置構成因子を探索するとともに、まったく未知である、細胞核、細胞質に存在する分裂装置の制御因子を探索し解析することで、宿主細胞が、どの様にしてバクテリアの分裂を制御し、細胞内小器官へと変換したのかという、真核細胞の誕生に関わる謎の解明を目指します。



上図は葉緑体の分裂を時間を追って観察したものです。赤色は葉緑体、緑色は真核型の分裂装置であるダイナミンです。ダイナミンは葉緑体の分裂面にリング状に集合し、葉緑体を切断します。